グロービス(GMS)を自腹で受講したリアルな体験記|受講生の属性・講師の質・実務に生きたこと
「グロービスに興味はあるけれど、実際はどうなのか?」
このサイトにたどり着いた方であれば、「グロービス」という名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
- 興味はあるけれど、具体的に何を学ぶ場なのか?
- 受講費用が高いイメージがある(1科目約15〜18万円)
- 予習や課題がハードでついていけないのではないか?
- 周りが極めて優秀な人ばかりで気後れするのではないか?
- 学んだところで、本当に実務で役に立つのか?
このような疑問や懸念を抱いている方は少なくないはずです。そこで今回は、ベンチャー企業で管理職に昇進した32〜33歳当時、身銭を切って自腹でGMS(グロービス・マネジメント・スクール)の3講座を受講した私自身の体験をもとに、現場の空気感、受講生のリアルなレベル感、そして実務にどう活きたのかを事実ベースでお伝えします。
1. 受講のきっかけ:32〜33歳、マネージャー昇進でぶつかった「思考の壁」
私がグロービスに通ったきっかけは、当時勤めていたベンチャー企業でマネージャー(管理職)に昇進したことでした。
プレイヤー時代は、現場の課題に対して自分なりの工夫や行動力で何とか解決できていました。しかし、管理職になると求められる役割が一変します。チームの方針を決め、リソースを配分し、社内の合意を取り付け、重い意思決定を下さなければならない場面が頻発しました。
その際、「どう筋道を立てて考えればいいのか」「どう論理的に整理して周囲を納得させればいいのか」が分からないという壁に直面したのです。これまでに論理的思考や意思決定の体系的な手法を学んだ経験がなかったため、考える作業そのものが非常に苦しく、「このまま自己流を続けていてはまずい」という強い危機感を抱きました。
当時、社会人が学べる場はいくつか候補がありましたが、グロービスは大企業でも数多く研修導入されており、カリキュラムが机上の空論ではなく極めて実践的であると耳にしました。そこで、「ここで思考力を鍛え直そう」と決意し、思い切って自腹で受講を申し込みました。
2. 大学院ではなく「GMS(単科)」を選んだ理由
グロービスには本格的な経営大学院(MBA)と、ビジネスパーソンが特定の科目だけを選んで受講できる「GMS(グロービス・マネジメント・スクール)」という枠組みがあります。大学院の単科生として通う選択肢もありましたが、当時の私は学位(MBA)の取得自体を主目的にしていたわけではなく、「今、目の前にある実務課題(論理思考・プレゼン・数値分析)を解決すること」に直結させたかったため、GMSでの単科受講を選択しました。
事前の説明会に参加した際、第一線で活躍しているビジネスパーソンが熱心に参加している様子が印象的でした。受講生の年齢層は20代の若手から年配のベテラン層まで非常に幅広く、多様なバックグラウンドを持つ人たちが集まっていました。
私は最終的に以下の3つの講座を受講しました。
- クリティカル・シンキング(物事の本質を見極め、論理の筋道を立てる基礎)
- ビジネス・プレゼンテーション(相手の関心・課題に合わせてロジックを構成し伝える技術)
- ビジネス定量分析(意思決定の根拠となる数値を読み解き、筋の良い仮説を立てる手法)
3. 科目ごとに異なる受講生の属性と傾向
実際に3講座を受講してみて分かったのは、科目によって集まる層の傾向がはっきりと分かれている点です。
クリティカル・シンキング / ビジネス・プレゼンテーション
20代後半から50代まで年齢層が幅広く在籍。「社内での提案が通らない」「上層部へのプレゼンや合意形成に悩んでいる」といった、私と同様に組織内のコミュニケーションや論理構築に課題を抱えるマネージャー・リーダー層が中心でした。
ビジネス定量分析
20代〜30代前半の比較的若い世代が中心。「データ分析」「定量的な戦略立案」というキーワードに惹かれ、コンサルティングファームや経営企画を目指しているような、上昇志向の強い若手が目立ちました。
また、受講生の多くは大手企業や東証一部上場企業の所属で、「会社の人材育成制度(費用補助・企業研修)の一環」で来ている方が大半でした。私のようにベンチャー企業から完全自腹で受講している人は少数派だったため、この「自腹であることの元を取ろうとする真剣さ」は、講義への臨み方に良い意味で差を生んでいたと感じます。
4. リアルなレベル感:「大企業の管理職」の実態と、本当に優秀な人たち
受講前に抱いていた「周囲は大企業の部長やエリートばかりで、自分は気後れしてしまうのではないか」という懸念は、講義が始まるとすぐに解消されました。受講を通じて感じたのは以下の2つの事実です。
① 大企業の管理職だからといって、必ずしも全員が優秀とは限らない
東証一部企業の部長職や大手管理職の方であっても、思考力や論理展開において自分と大きな差があるわけではないと分かりました。特に「ビジネス・プレゼンテーション」などの実践科目では、現場で泥臭く施策を回してきたベンチャー側の視点や瞬発力の方が優れていると感じる場面も多々ありました。「大企業所属=ビジネス戦闘力が高い」とは限らないという事実を肌で体感できたことは、大きな自信につながりました。
② 本当に頭が切れる人は、ごく一握りだが確実に存在する
一方で、30名前後のクラスに1〜2人程度、「この人の論理の組み方や視点の高さは圧倒的だ」と心から思わされる突き抜けた受講生がいました。「元コンサル」を名乗っていても実際には大したことがない人も見受けられましたが、本物の思考力を持つ人は所属企業も超一流で、議論のまとめ方や着眼点が明確に異なっていました。そのレベルの思考速度を間近で体感できたことは得難い収穫でした。
5. グループワークの人間模様:自分の立ち位置と実社会の縮図
グロービスの講義は、1クラス30〜35人程度で進行します。そこから6〜7名ずつのグループに分かれ、各自が予習してきたケーススタディの分析結果や自分の考えをプレゼンし、ディスカッションを重ねていきます。
多様なバックグラウンドを持つ大人が集まるため、中には相手を見下すような態度を取る人や、自己中心的な発言をする人が混ざっていることもゼロではありません。時には不快に感じる瞬間もありました。
しかし、冷静に考えれば「実社会や会社組織にも、理不尽な人や偏った意見を持つ人は必ず存在する」ということです。閉じた社内にとどまっていると、上司の力量が未熟な場合にその人の価値観だけに縛られてしまいがちですが、外部のグループワークに出ることで「他人の意見をどう聞き、自分の論理をどう客観的に届けるか」を訓練できます。
様々な受講生と真剣に議論をぶつけ合うことで、「社会全体の中で、自分の思考力の何が足りていないのか」「自分のどの強みが他社・他業界でも通用するのか」という自分の立ち位置を冷静に測る場として、非常に機能していました。
6. 一流の講師陣からのフィードバックと「点が線につながる感覚」
受講して価値が高かったと感じる大きな要因は、講師陣のクオリティの高さです。
教鞭をとる講師は、海外有名大学でMBAを取得された方や、トップティアの戦略コンサルティングファーム出身者など、実務とアカデミックの第一線を経験したプロフェッショナルばかりでした。そうした一流の講師から、自分が作成したレポートや思考の抜け漏れに対して「どこが良かったのか」「どの前提が崩れているのか」という的確な指摘を直接受ける経験は、独学では決して得られない貴重な学びでした。
3講座を修了して実感したのは、「ビジネスのスキルはすべて単体で完結せず、有機的につながっている」ということです。
- クリティカル・シンキングで問題の本質を見極め、思考を整理する。
- ビジネス定量分析で意思決定に必要なデータを裏付け、説得力ある仮説を立てる。
- ビジネス・プレゼンテーションで相手の心理と論理の流れに合わせて提示し、人を動かす。
別々に見えていた知識やスキルが、実務のストーリーとして「点から線へ、線から面へ」と結びついたとき、意思決定や社内提案における不安は確信へと変わりました。
まとめ:身銭を切って受講して本当に良かったか?
結論として、自腹で決して安くない費用(数十万円)を投じましたが、受講して本当に良かったと確信しています。
単なるビジネス知識のインプットにとどまらず、思考の整理力、意思決定の軸、そして社外のビジネスパーソンと自分を比較して得られた客観的な自信は、その後のキャリア構築において確かな資産となりました。
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