グロービス単科『クリティカル・シンキング』受講レビュー|思考の軸が定まり、意思決定と社内評価が一変した理由
「グロービスで何か1つ受講するなら、何から始めるべきか?」
グロービス・マネジメント・スクール(GMS)のラインナップの中で、看板であり定番中の定番として位置づけられているのが『クリティカル・シンキング』です。
一言で言えば「思考法の徹底的な筋力トレーニング」。コンサルティングファームでも必須とされるピラミッドストラクチャーを武器に、論理の骨組みをどう構築し、相手の反論をどう迎え撃つかを鍛え上げます。今回は、当時ベンチャー企業でマネジメントの壁にぶつかり、藁にもすがる思いで自腹受講した私自身の体験をもとに、講座の核心、実務や出世への波及効果、そして今でも記憶に残るクラスの熱量についてお話しします。
1. 受講の背景:マネージャー昇進と「思考法の不在」による苦悩
前回の全体体験記でも触れましたが、受講当時の私はベンチャー企業でマネージャー職に昇進した直後でした。
プレイヤー時代は勢いや個人の工夫で突破できていた業務も、管理職になると「チームとしての方針策定」「経営陣への提案」「トラブル時の意思決定」など、論理的な裏付けを伴う判断が毎日求められます。しかし当時の私は、論理的に筋道を立てて考えるトレーニングを一切受けたことがありませんでした。
「どう整理すれば筋が通るのか」「なぜ自分の意見は社内で通らないのか」が分からず、暗中模索の状態で考えること自体が極めて苦痛でした。当初は他の個別スキル講座も検討していたのですが、事前の説明会で「あらゆるビジネススキルの土台・根底にあるのが思考力である」という説明を受け、「まずこの基礎を叩き直さなければ先に進めない」と確信し、受講を決意しました。
2. クリティカル・シンキングの講義内容:ピラミッドストラクチャーの実装
講座の中核は、戦略コンサルタントが日常的に使用する「ピラミッドストラクチャー」の習得です。
- 演繹法と帰納法の使い分け: 前提から結論を必然的に導くロジックと、複数の事実から共通項を抽出するロジックの整理。
- ピラミッドストラクチャーの構築: 頂点に「主張(メインメッセージ)」を置き、その下を支える根拠(理由やデータ)をピラミッド状に構造化する。
- 反論への耐性強化: 相手からどの角度で反論やツッコミが入っても、論理破綻を起こさずに的確な根拠で返答できる構造設計。
講義は1クラス30〜35名程度。そこから6〜7名のグループに分かれ、毎回出題されるハードな課題ケースを事前に解いた上で参加します。予習してきた自分の構造・結論をグループ内で発表し、受講生同士で徹底的なディスカッションと反論のぶつけ合いを行います。
課題の負荷は決して軽くありません。「課題にどれだけ本気で向き合い、自分の頭でロジックを組み直したか」が、そのまま講義当日の吸収力と定着度に直結します。
3. 実務への変化:意思決定が劇的に楽になり、社内評価・出世へ直結
3ヶ月間のトレーニングを経てピラミッドストラクチャーを実務で意識的に使い始めてから、仕事の現場における景色が一変しました。
社内提案やプレゼンがスムーズに通るようになる
思いつきや熱意だけで話すのではなく、「主張」と「それを支える根拠の階層」が事前に整理されているため、上長や経営陣への提案の説得力が跳ね上がりました。突発的な質問や鋭い指摘を受けても、どの根拠に紐づく話なのかを冷静に識別して即答できるようになりました。
意思決定のストレスが激減し、公平な判断ができる
複雑に絡み合った課題に直面しても、問題を構成要素に分解し、ピラミッド状にロジックを整理することで、「今何を優先して決断すべきか」を迷いなく下せるようになりました。感情に左右されず、筋の通った判断を下せるようになったことで、チームメンバーからの信頼も厚くなりました。
客観的かつ公平に物事を判断できるマネージャーとして社内評価が大きく向上し、結果としてさらなる評価の獲得や出世へとつながる好循環を生み出す原動力になりました。
4. クラスの雰囲気と仲間:同じ「悩み」を抱えるからこそ生まれた深い結束
私が受講した他の2講座(ビジネス・プレゼンテーション、ビジネス定量分析)と比較しても、『クリティカル・シンキング』のクラスは受講生同士の結びつきが群を抜いて強いものでした。
クリティカル・シンキングの門を叩く人の多くは、会社規模に関わらず「現状の思考法に限界を感じている」「どうすればもっと筋道を立てられるのか悩んでいる」という切実なモヤモヤを抱えています。お互いに弱みや思考の拙さをさらけ出し、真剣にフィードバックを交わし合うため、自然と強固な仲間意識が芽生えていきました。
講義の期間中はもちろん、3ヶ月のカリキュラムが修了した後も定期的に飲み会を開き、それぞれの現場での悩みやキャリアの近況を語り合う関係が長く続きました。最終回の講義終了後には、私自身が幹事を引き受けて会場を貸し切り、深夜2時までクラス全員で打ち上げパーティーを開いたことは、今でも非常に温かく鮮明な思い出です。
まとめ:迷っているなら、まずこの講座から検討すべき
「グロービスで何かを学びたいが、どれから手をつけるべきか分からない」と悩んでいるのであれば、間違いなく『クリティカル・シンキング』から受講することをおすすめします。
ここで身につく「ピラミッドストラクチャー」という思考の型は、その後に学ぶプレゼンテーションや数値分析、マーケティングなど、あらゆる領域の土台として生涯機能し続けます。自腹を切って真剣に受講したことは、私のビジネスキャリアにおける最大の分岐点の一つでした。
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